2010年3月30日

H1N1豚インフルエンザワクチン余剰は問題なのか?

新型インフルエンザ:ワクチン輸入、257億円分解約

 長妻昭厚生労働相は26日の閣議後会見で、英国の大手製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)から購入予定だった新型インフルエンザワクチン7400万回分のうち2368万回分(32%)について、購入契約解約で合意したと発表した。257億円の経費を節減できるという。

 長妻厚労相は「(メーカー側に)瑕疵(かし)がない場合は解約できないというので交渉が大変難航したが、GSK社とは決着した。もう1社(スイスのノバルティス)については、非常に厳しいが交渉実行中」と述べた。【佐々木洋】毎日新聞 2010年3月26日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20100326dde041040072000c.html




今回流行したH1N1豚インフルエンザで輸入されたワクチンは、
グラクソ・スミスクライン(GSK)製と
ノバルティファーマ製あわせて約8700万人分のうち、
使用したのは僅か2500人程度でした。
計算すると99%が使われていません。
政府はこのワクチン余剰を受けて、
GSKの未使用分約3割を解約したというのです。

輸入ワクチン総額は1126億円であり、
メディアはこぞって「税金の無駄遣い」
と厚労省の対応を批判しています。
そして、海外ワクチンに頼らず
国産でワクチンをまかなうように、
といった風潮が主流になっています。

果たしてこれらの議論は正しいのでしょうか。


まず第一に、ワクチン余剰の問題です。
確かに無駄は省いた方がよいですが、
インフルエンザである限りは
特効薬も100%の予防手段もないことから、
ワクチンを国民分そろえることは
国民に対する保険ともいえます。

もちろん、主要先進国がある程度のワクチンをそろえるために
海外ワクチンとの契約も積極的に進めたのと比べると
日本は遅かった、と言わざるをえませんが。

第二に、海外ワクチンに頼らなくてもすむように
国産ワクチン生産強化を進めるという方向性です。
我が国のワクチン業界は世界から20年以上立ち後れており、
早急に対策を立てなければならない最優先分野です。
しかし、現状のまま国産ワクチン強化作戦を展開することは、
補助金事業を増やし、
ある特定のワクチンメーカーの力を増大させるだけではなく、
厚労省との癒着や天下りと言った問題の
温床を増やすだけ、という指摘も大きい
のです。

ポリオワクチンの記事でも書いたとおり、
日本はなぜワクチンが必要なのか、
という基本的概念が分からないままの
ワクチン政策が行われてきました。

国内のワクチン業界を活性化させるためには、
重篤な副反応が生じた際に訴訟でしか解決できず、
払われる金額も海外と比べて非常に少額であるといった、
根本的なことを直してゆかなければなりません。

そして、忘れてはならないのは、
国内ワクチンメーカーの活性化とは、
海外メーカー排除でもなく、
国内のごく一部のワクチン業者の保護でも無い
と言うことです。
第一、日本名がついている会社でも
外資がはいっている場合は多くあります。

大切なのは、国民分のワクチンを
確保しなければならない事態が再び訪れたとき、
国内だけでは間に合わなければ、
速やかに海外ワクチンを導入できる法整備と、
国内産のH1N1豚インフルエンザワクチンでの死亡例が
海外産と比べてきわめて多かったにも関わらず、
「国産安全至上主義」を貫く厚労省の体質改善
なのではないでしょうか。
副反応調査、安全性についても
もっとオープンで中立的な評価プロセスは緊急の課題
だと思います。

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雪柳満開です。
「黒猫が二匹戯る雪やなぎ」
娘が詠んだ句です。


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2010年3月24日

日本と欧米諸国のワクチンギャップ

おむつ処理に注意を=ポリオ予防接種、二次感染恐れ-

厚労省厚生労働省は、ポリオ(小児まひ)の予防接種を受けた子供から家族らに二次感染することがまれにあるとして注意を呼び掛けている。ワクチン接種後15~37日間にわたり、ウイルスが便に排出されるため、おむつを替えた際などは、入念に手洗いするよう保護者や保育所に求めた。
 神戸市は先月、市内の男児がポリオを発症したと公表。男児はワクチン接種者から二次感染した疑いがあり、同省は今月11日付で都道府県や政令市に通知を出した。
 同省によると、ポリオウイルスに感染すると0.1%程度の割合で手足などにまひが生じ、後遺症が残ることがある。国内の自然感染は1980年が最後だが、海外には現在も患者がおり、国内流入の恐れがあるため、予防接種を続けている。

3月22日14時51分配信  時事通信




ウイルスによって引き起こされるポリオ(小児まひ)は
ワクチンによって予防することができます。
WHOは全世界的なポリオ根絶キャンペーンを敷いており、
1988年には、35万あった発生を、
2002年には1918まで減少させました。

ポリオワクチンには2つの種類があります。
OPV(Oral Poliovirus Vaccine)と
IPV(Inactivated Poliovirus Vaccine)です。
OPVは生ワクチンで口から飲ませますが
IPVは不活化ワクチンで注射します。



なぜ今回のような事件が起こったかと言えば、
日本はOPVを使っているため、
ワクチンのなかにいるウイルスによって
実際のポリオに罹ってしまう危険性があるからです
(VAPP Vaccine-associated paralytic poliomyelitisといいます)。
WHOによれば世界的に見て、
およそ250から500のOPVによるポリオが発生しており
(Weekly epidemiological record No.28,2003,78,241-252)、
この数は100万出産数あたり2-4に相当します。

VAPPの危険性を避けるため、
先進国を中心とした国々では
OPVからIPVへの切り替えが行われました。

その中で唯一OPVを使用しているのが日本なのです。

おそらくこの記事を読んでいる皆さんは、
日本は先進国なのだからワクチン対策も
他の先進国と変わらないと思っている方が
多いのではないでしょうか。

残念なことに日本のワクチン行政は
他の先進国から大きく遅れを取っています。
ポリオワクチンだけでなく、
ヒブ(Hib)ワクチン、肺炎球菌ワクチン、
子宮頸がんワクチンなどの導入も遅れています。

導入が遅れているだけでなく、
他の諸国ではワクチン接種が
公費でまかなわれるのに対して、
我が国では高額な負担を強いられることが多くあります。
これはH1N1豚インフルエンザワクチンで
経験された方がいるのでは無いでしょうか。

何故、我が国だけこんなにワクチン行政が遅れているかというと、
ワクチンを何のために使うのか、
という国の認識がなされていないから、
といえるのではないでしょうか。

ワクチンには必ず副反応があります。
希にではあっても重篤な副反応で命を落とすこともあります。
しかし、そのリスクがあっても国民全体というマスを、
感染症から守るために使うのがワクチンです。
この概念は正に公衆衛生の考え方です。


ですから、当然ワクチン費用は
政府が負担するべきであり、
副反応のリスクについても国民に対して説明すべきです。
そして、不幸にして重篤な副反応が起こった場合には
十分な補償がされるべきなのです


ところが日本はワクチン政策のいろはが分かっていないで
ワクチンをつかっているためか、
上に書いたワクチンインフラ自体が出来ていないのです。

欧米先進国と比べてワクチン行政は20年以上遅れていると言われます。
ワクチンは国の感染症対策の大きなツールですから、
言い換えれば日本の感染症対策自体が
世界と比べて大きく立ち後れているといえます。

これから益々ワクチンの話題は
取り上げられることが多くなるでしょう。
それはこれから日本が大急ぎで先進諸国に
追いついてゆかなければならない分野だからです。
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久々に写真をアップします。先日兄の誕生日に娘たちが作ったケーキです!

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2010年3月19日

世界が注目してマネをするメキシコのスゴイ貧困対策


世界が注目してマネをするメキシコのスゴイ貧困対策
「日本の貧困率は15・7%」。少しまえにこんな数字を政府が初めて公表した。貧困率(相対的貧困率)とは「所得が全国民の中央値の半分に満たない国民の割合」のことで、所得格差を表す指標とされている。日本では90年代以降、この貧困率が上昇し、OECD(経済協力開発機構)によれば04年の貧困率は14・9%。これはOECD加盟国のうち、メキシコ、トルコ、米国に次ぐ4番目の高さで、それが07年は15・7%に上昇したのだという。

そこで政府も対策に取り組むらしいのだが、では格差や貧困を解消するにはどうすればいいのか。じつは、画期的な貧困解消政策をおこない、世界中から注目を集めている国がある。貧困率第1位のメキシコの「条件付き現金給付プログラム」と呼ばれる政策がそれで、貧困削減の成功例として国際社会からも高い評価を受け、メキシコを真似しようとする国が続出するほどなのだ。(→続き)
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20100304-00001665-r25



貧困率第1位のメキシコの「条件付き現金給付プログラム」
と呼ばれる政策が貧困率削減の成功例として
国際社会からも高い評価を受け、
メキシコを真似しようとする国が続出するほどだという。

この政策の特徴はまず、
低所得者に給付されるお金が
子どもの教育・健康に支出されるよう条件付けられており、
給付対象は家族の健康を担う母親と決められ、
母親には栄養管理の勉強をすることが義務づけられている。

仮に母親が子どもを学校に通わせていなかったら
給付は打ち切りになる。
さらに政策の効果や問題点の検証を
NGOなどの外部機関が行い、
必要ならすぐに改善策を講じることも可能。

まさに国を挙げて次世代を担う人材育成に取り組んでおり、
たんに低所得者にお金を配って救済する対症療法ではなく、
根本から改善しようとするプログラムになっている。
その効果は『世界銀行』が昨年この政策に対して
『15億ドル』の融資を決めたことでもうかがえる。



日本では子ども手当て法案が、
参議院に審議入りしました。
子ども手当て法案とは
「15歳の4月1日の前日までの子どもの保護者に毎月2万6千円を支給(予定)する。ただし、初年度(2010年)度のみ月1万3千円となる」
というものです。

子育ては社会全体で支えるという趣旨に
基づくものらしいのですが、
この法案の目的がよくわからないのは
私だけではないと思います。
少子化対策なのか、景気対策なのか、
それとも児童手当と違う「援助策」なのか。


子育てはたやすいことではありません。
私自身が子育てをしている中で、
幸せだと感じることは多いのですが、
困難にも突き当たります。

もっとも大きいものが、
女性が子供をもっても仕事をつづけてゆくことの難しさです。

今、日本は大きな問題を抱えています。
経済、教育、医療など、数えればきりがありません。
しかし、これらすべてを包括して言えば、
「日本が将来安定して存続し、
子孫が安心して暮らせる国を作る」
ために解決しなければならない問題
と言えるのではないでしょうか。

そのためには、社会にとって有益な人材を
十分に活用することは不可欠だと考えます。
男性対女性の割合が約1:1であることから、
人口の半数を占める女性を活用しないことは
社会のロスであることは言うまでもありません。

そう考えれば、女性が子どもを安心して産み育て、
社会的に活動を続けてゆくための
支援策を考えるのが必要です。
それが今審議されている「子ども手当」であるとは
到底思えないのです。
相当のお金を子どものために使うのであれば、
今回ご紹介したメキシコのような
きちんとしたビジョンが必要だと思いますが、
みなさんどうお考えでしょうか。


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2010年3月10日

twitterの威力を読み解く

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/02/news095.html

Twitterユーザーは全体の8% 認知度は70%
富士通総研の調査によると、Twitterの認知度は70%だが、利用者は8%だった。

ツイッターの利用状況
 富士通総研がこのほど実施した調査によると、Twitterの認知度は約7割に上ったが、実際に使っている人は1割未満にとどまった。言葉自体は浸透しているが、実際に利用している人はまだ一部に限られているとしている。

 1月18~20日に全国の15~64歳の男女に対してWebでアンケート調査を実施した。

 「Twitterという言葉を知っている」と回答したのは全体の70.2%。「利用している」と答えた人は8.2%だった。言葉を知っている人のうち「名前は聞いたことがあるが、利用したことがない」という人が59.3%、「今は利用していない」が2.7%。「Twitterが何か分からない」は29.8%だった。

 年代別に見ると、最もユーザーが多いのは15~19歳の14.9%で、20代(12.4%)、40代(7.9%)、30代(7.4%)が続く。投稿に使うデバイスは年代ごとに異なり、年齢が上がるほどPCのみの割合が多くなり、60代では95%、50代では78.6%がPCのみ。一方で15~19歳、20代、30代はほぼ半数が携帯電話も使っていた。

 Twitterのメリットについて聞くと「リアルタイムに情報発信ができる」(52.5%)という回答が最も多く、「ブログより更新が簡単」(52.2%)が続く。メリットに対する認識も年代によって異なり、情報発信の利用が多い15~19歳と20代は「リアルタイム性」に対する評価が高かったのに対し、40~50代は「新しいメディアなので面白そう」「有名人の情報にアクセスできる」という点を重視していた。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/02/news095.html
(2010年03月02日 19時25分 更新)



先日の参議院予算委員会では
3人閣僚が審議に遅刻し、
その状況が国会議員によってtweetされる
という記事が報道されました。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/K2010030400010.html

遅刻した一人の原口総務相は、チリ地震の際、
twitterで情報発信をし、物議をかもしました。


近頃では週刊誌や新聞でも
ずいぶんtwitterが取り上げられるなあ、
という印象を持っている方も
多いのではないでしょうか。

ところが、今回の記事は、
実際twitterを使っている人はとても少ないよ、
というものです。
みなさんはどう思われますか。
確かにどれくらいの人が使っているか、
というのはtwitterの情報伝達手段としての
スケールを知る一つの指標になります。
しかし、それだけでtwitterの影響を評価するのは
短絡的ではないかと思います。

その理由を説明しましょう。



先ずtwitterの大きな特徴として、
速報性があることから、
これまでのメディアにはなかった、
リアルタイムの情報発信・取得が
大きく評価されています。
20代以下のユーザーの多くは、
リアルタイムコミュニケーションツールとして、
30代以上ユーザーの多くはコミュニケーションより、
情報取得が理由の利用が多いと聞きます。

特に20代よりも利用割合が多いと言われる
30~40代のユーザー(それ以上の世代)は、
多くが大人になってからネットルーツを使い始めた世代であり、
それ以前の若年層世代(いわゆるデジタルネイティブ世代)と比べると
ネットツールを使うことを
意識的に行ってきた世代と言えるかもしれません。
私もそのひとりであると言えます。

ですから、このような層がtwitterを使うと、
ブログ、mixi、メイルといった他のWEB手段を使って、
twitterで得られた情報を多方面に伝達することが考えられます。
つまり、利用人数だけtwitterの影響を評価するのは、
短絡だと思うわけです。



また、私がtwitterを利用していて感じるのは、
「ゆるくつながる」という謳い文句にあるとおり、
個人と個人をほどよくつなぐネットワークを
構築するツールだということです。
趣味嗜好や情報でつながるコミュニティとは、
また違うつながりです。

例えば、私のtwitterのフォロワーは
私の意見に同意する層、批判したい層、
あるいは私の持っている情報を得たい層、
という人たちです。
逆にいえばそれ以外の人は
同じtwitterユーザーでも、
私の存在すら知らないと思います。

こう考えると、多くの人の目に触れるTVやラジオ、
週刊誌といったマスメディアとは違う、
個人という「コア」へ特化したアプローチになる場といえます。



特にこの個人が政治家であったり、
メディア関係などの影響力が強い人の場合は
twitterの威力は倍増します。
それは、1つのつぶやきがRTによって
ネズミ算的に広がるからです。


twitterの持つ瞬時性と、
個人を中心にしたつながりによって
大きなインパクトを与えた例として、
冒頭にあげた例をご紹介しましょう。
それは、原口総務相の、
チリ地震による津波の影響についてのtweetsです。
http://excite.co.jp/News/society/20100303/JCast_61504.html

これに対しては様々な意見がありますが、
危機管理とは最悪の事態を想定して備える事が前提です。
加えて津波ですから
そうそう悠長に構えてはいられない出来事です。
このような場合に責任ある人からの早い情報は、
なり済ましによる嘘情報などのリスクは伴うものの、
貴重な情報源であると考えられます。
大体、役所からの出るものは
「時すでに遅し」ということが多いので。



WEBツールの一つですから、
twitterもいずれはすたれる日がくるでしょう。
しかしユーザーが増加している現状を考えると、
日本におけるtwitterの力は
まだ未知数のところがあります。


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2010年3月5日

生きることは大変なことですね


千の風になったあなたへ贈る手紙(朝日文庫)
が近々発売されます。



この本には失った愛する人に対する
メッセージが集められています。

新聞のコラムで紹介されているのを見て、
胸が締め付けられるのを感じました。


逝きたくなくてもこの世を去る人もいれば
自らの命を絶つ人も後をたちません。

現代社会の不安定さを考えれば
生きる事が辛くなります。

高校生の頃、五木寛之氏が学校に講演に来ました。
その時に五木さんが言った言葉の意味を
今になって良くわかります。

「あなたたちは大変な時代に生きている。
生きているのでさえ大変だと思う」

あれから20年以上経ちます。
今は、私が高校生だった頃より
もっと辛い時代になってしまいました。

しかし、それでも若い皆さんには
生きることを諦めないでほしいと思います。


春は生命の息吹を感じさせる季節であるとともに、
何か悲しみを募らせる時候でもあるのでしょうか。

木の芽が膨らんだり、花が咲きだしたりするのを見るたびに、
一昨年亡くした母をひときわ強く思い出します。

母との思い出が
挫けそうになる自分を支えてくれているのかもしれません。

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写真は花が好きだった母のためブーケです。
桃、バラ、モカラ、ストック、菜の花、ミモザ、ストック
とてもいい香りです。春の花が満載です。


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2010年3月2日

鳥と季節性のインフルエンザで高病原性インフルが猛威を振るう?!【後編】

さて、前編で書いた、
「スーパーキラーインフルエンザが
自然に生まれる可能性は低いが、
バイオテロの兵器として使われることがあるから
それに備えよ」の続きです。


一たびそんな怖いものが撒かれたら
日本は崩壊してしまうでしょう。
そのためにはバイオテロの標的にならないことが必要です。

標的にならないというけれど、どうしたらよいのだろうか
と思われる方も多いでしょう。
狙われないためには隙を作らないことです。

隙のなさとはどんなものでしょうか。
先ず国の感染症対策がきちっとしている、
備えるべきものはきちんと備えているということです。

具体的にいえば、
今回の新型インフルエンザ対応が的確であったり、
バイオテロの最も有力な候補と言われている
天然痘ウイルスに対するワクチンを国民分用意してある、

といったことです。


バイオテロとは違いますが、
海外でひったくりにあいやすい人とそうでない人がいます。
ハンドバックの口が空いていたり、体の横に持つ等は
取られやすいからしてはいけない、
と良く言われることです。

しかし、狙われやすい人は
たとえバックをタスキがけにしていても狙われるのです。

例えば、シャンゼリゼ通りで地図を広げながら
ブランド店を指差し確認しながら探す、
挙動不審な日本人集団が良い例ではないでしょうか。
そして時折立ち止まってはポーチを取り出し、
自分のメイクをチェックします。
このような、いかにも日本人旅行者風で、
お金はたくさんありますよ!というのがだれの目からも明らかな人は、
ひったくりのいい「カモ」になってしまうのです。


今回の新型インフルエンザでは
日本の感染症対策がとてもお粗末で、隙だらけだということを
世界中に広めてしまいました。

意味がないといわれている、ものものしい空港検疫を展開したのも
日本と中国だけで、
WHOからは名指しで批判されました。

今後、新型インフルエンザだけでなく、
SARSのように新しい感染症がやってくる可能性があります。
今回の新型インフルエンザ対応のような間違った事をすると、
国民の命を危険にさらす、ということを国はきちんと学んでほしいですね。


最後に、私たち個人はバイオテロに対して何をすればよいのでしょうか?
私たちがやるべきことは、
正しい認識と正確な情報把握をすることです。

なーんだ。それしかないの?と思われるかもしれません。
しかし一番大切なことです。

今回の新型インフルエンザでは国中がマスクをつけました。
マスクは本来病気の人がほかの人へうつすのを
防ぐためにつけるのですが、
「マスクをつければインフルエンザにかからない」
という迷信まで生まれ、
マスクを生徒に付けさせなかった校長が
記者会見で涙をながす、という異常な状況なりました。
明らかにマスクパニックに陥ったのです。

危機管理の基本はパニックを起こさないことです。
これは政府だけでなく個人にもあてはまります。

正しい理解をすることがパニック防止になるのです。
いくら国が政策を決めても、
個人が正しく行動しなければ意味がありません。
なぜなら、国とは国民ひとりひとりから成り立っているのですから。

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